ハゲタカジャーナル(悪徳雑誌)の見分け方、査読依頼、インパクトファクター…

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 ハゲタカジャーナル(悪徳雑誌)について何度か書いてきましたが、今回はそういったジャーナルの見分け方などについて書きたいと思います。

 

 ハゲタカジャーナルは、日本医学会は悪徳雑誌、Wikipedia では捕食出版としていますね。この記事ではあまり考えずに言葉を使います。

 

 メインブログにかいた前までの関連記事 (メインブログにとびます)。

 ▶ 粗悪・悪意のある学術雑誌の弊害 - Beall's List のこと

 ▶ ハゲタカジャーナル に掲載して博士号取得した例がかなりありそうとの調査

 ▶ ハゲタカジャーナルへ(悪徳雑誌)の投稿を控えるよう日本医学会が注意喚起

 

 この問題については、北海道大学北キャンパス図書室「国際オープンアクセスウィーク2018」企画の「オープンアクセスとハゲタカジャーナル」の資料もわかりやすいですね。

 

 なぜ横行するのかは、講談社のサイトに記事があります。

 ▶ ハゲタカジャーナル、ダメ絶対! でも、その横行にはそれなりの理由が……

 ハフィントンポストにもありましたね。

 ▶ 劣悪な学術誌「ハゲタカジャーナル」とは? 掲載料が目当て、 根拠乏しい「疑似科学」を拡散

 日経新聞にも

 ▶ 学術の健全性損なう「ハゲタカジャーナル」 

 

 

ハゲタカジャーナル(悪徳雑誌)の見分け方

 

 投稿前に考えることをまとめてくれているサイトがあります。

 Think. Check. Submit. (日本語版) です。これは日本医学会の注意喚起でも引用されていました。再度簡単にまとめて示します。これをまずはチェックしましょう。

 

 (1) あなたや同僚はそのジャーナルについて、

   掲載論文を以前に読んだことがあり

   最新論文を容易に見つけることができますか

 (2) 出版社名が明記され、メール、電話、郵便で連絡が取れますか。

 (3) そのジャーナルはどのような査読を行うか明白ですか。

 (4) そのジャーナルで掲載されるための料金の内容と

   どの段階で請求されるかについて説明 されていますか。

 (5) そのジャーナルには編集委員会は設置されていますか。

   あなたは編集委員について知っ ており、

   編集委員は自身のサイトでそのジャーナルについて触れていますか

 (6) その出版社は学術出版業界で認められた団体に加盟していますか。

   ・Committee for Publication Ethics (COPE)

   ・Open Access Scholarly Publishers Association (OASPA) 

 (7) そのジャーナルは以下のデータベースに収録されていますか。

   ・MEDLINE

   ・WHO Global Index Medicus (GIM) 

   ・Web of Science

   ・Scopus 

 (8) そのジャーナルは以下のリストに登録されていますか。

   ・Directory of Open Access Journals (DOAJ)

 

 

ホワイトリスト=信用できるリストを用いてのチェック

 

 とくにDOAJのリストはチェックしておきたいところ。いわゆるホワイトリストであり、ここに登録されていればとりあえずは安心です。

 もちろん、MEDLINE などに登録されているか、検索もするべきです。

 

ブラックリスト=ハゲタカジャーナル…

 

 悪徳雑誌である、またはかなり疑わしい、ジャーナルをまとめたリストも公開されていますので、投稿前や査読前、論文を読む前にここでチェックするのも大事です。ホワイトリストと合わせて使用することで、かなり網羅できるはずです。有名なのは以下。

 

  ▶ Beall's List of Predatory Journals and Publishers - Publishers

  ▶ Stop Predatory Journals

  ▶ CABELLS

 

 ブログではこんな記事もありました。

  ▶ ハゲタカ出版社チェックはしておきましょう

 

 

ハゲタカジャーナルにはインパクトファクター(Impact Factor; IF) はついていないことももちろんありますね

 

 IFは Clarivate Analytics 社が Web of Science内の被引用数に基づいて計算しており、IFを持つジャーナルは Web of Scienceに採録されている約12,000タイトルに限られています。なので、IFがついていることも重要です。Journal Citation Reports(JCR)にそれらは掲載されます。

 ただし、まともなジャーナルでも新しい雑誌では尽きませんので注意は必要です。

 

 また、IFだけでなく Elsevier の行っている CiteScore というものもあり、こちらは  Scopus での被引用数から算出されています。

 なので、Scopus もチェックするといいですね。

 

 さらなる注意としては、独自の計算を IF として掲載していることがありますので、かならず、JCR または CiteScore でチェックしましょう。

 

こういったジャーナルに載ってしまうと不名誉です。また査読依頼は断りましょう

 

 騙されたり、業績水増し目的だったりするかもしれませんが、こういった悪徳雑誌に載ってしまうと不名誉です。こんないいブログもありました。

 ▶ ハゲタカジャーナル(粗悪学術誌)論文掲載 不名誉な大学ランキング【悲報】東大、阪大などの研究者も投稿していたことが発覚  (≧▽≦ )

 

 とにかくこういった雑誌に掲載されることは不名誉ですし、業績としてはてなマークになります。また査読を引き受けることも加担したことになりますから、拒否しましょう。

 

 科学の健全な維持・発展のために、こういった雑誌にはかかわらないようにしないといけませんね。

 

 

関連記事など

 

 ▶ ハゲタカジャーナルに関わらないために Medical EnglishService

 ▶ <記事紹介> なぜ研究者は「ハゲタカジャーナル」で論文を出版してしまうのか

 ▶ ハゲタカジャーナル 対策がヤバ過ぎる…

 ▶ ”粗悪学術誌””ハゲタカジャーナル”の何が悪いの?

 ▶ ハゲタカジャーナルに奪われた私の1500ドル

 ▶ 【重要】ハゲタカジャーナルにご注意ください

 

 

 

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